★離婚準備

 

離婚問題のご依頼を多く受けている中で、もっと早くご相談に来ていただけたら適切な準備ができていたのに・・・と思うことがしばしばあります。

 

これは、見方を変えますと、実際に離婚に向けた話合いや調停に入る前に準備をしておけばよかったのに、それができていなかったということを意味します。その結果、離婚の交渉が事実上不利になってしまう場合も否定できません。

 

そこで、まず最初にお伝えをしておきたいことは、離婚になってしまうかもしれないなら、しっかりと“証拠”をそろえておいてくださいということです。

 

では、どのようなものが“証拠”として役に立つのでしょうか。

 

それについては、個別のケースに応じて異なりますのでひと括りにしてご説明することは難しいのですが(なので、離婚を決意する前段階から弁護士に相談をしつつ、準備をしていくことが重要といえます。こちらをご参考になさってみてください。)、相手の発言内容、行動(暴行の態様)、話合った内容等をできるだけ客観的に保存すること(録音・録画、写真などがあればいいですが、日記のような記録でも意味がないわけではありません。また、配偶者の暴力に遭った場合には診断書を必ずとっておきたいものです。)。

 

 

また、離婚が確定する前に、夫婦のどちらかが家を出て別居を開始するケースは少なくありません。その場合、当面の生活を支えるだけの費用は準備しておくことが現実的に必要です。

 

これは女性(妻)にあてはまることが多いかもしれませんが、当面の生活費に困り、不利な条件で離婚を急ぐといったことも、少なからず見聞きします。

 

 

ところで、財産分与に関しては、夫婦の共有財産がどのくらいあるのかを正確に把握しておくことが極めて重要です。

 

これは男性(夫)にあてはまることが多いかもしれませんが、家計を妻が一人で管理しているケースなどでは、共有財産がどのくらいなのか、夫がほとんど把握していないこともめずらしくありません。しかし、これでは適切な財産分与が実現できないことも考えられます。

 

 

さらに、財産分与の問題で、家を所有している夫婦の権利関係や住宅ローンの処理も、感情的な対立が大きくなる前に調整しておきたいところです。

 

住宅ローンの取扱いについては、例えば、夫婦で分担してローンを組んでいる場合や妻が夫の連帯保証人になっている場合、離婚が成立したからといって、自分の債務が当然に免除されることにはなりませんから注意が必要です。