「不貞行為」をしてしまった人とその相手(以下、「当事者」といいます。)は、原則として、慰謝料の支払義務を負うこととなります。
ただ、だからといって、請求者(「不貞行為」をされた夫または妻)の言いなりの金額を支払う義務まで負うということではありません。
不貞行為の当事者は、請求された慰謝料が高額であったとしても、後ろめたい気持ちもあることから、請求者の言い値を支払わなければならないと考えがちです。
しかし、本来、請求者の損害として正当に認められる以上の慰謝料を支払う必要はありませんから、請求額が高すぎると考える場合には、一度経験豊富な弁護士にご相談なさることをお勧めします。
私が担当した事件(私は夫側の代理人)で、どのように高額に見積っても慰謝料は300万円程度だろうと考えられた事案がありましたが、実際には500万円の請求が妻側からなされたことがありました。
夫の代理人として、私が、同種事案の裁判例等を引き合いに出して金額の交渉をした結果、200万円程度で折合いがつきましたが、このケースで、仮に夫が弁護士をつけず、理論武装もすることなく、いわば「丸腰」で対応していたとすれば、結果はどのようになっていたか分かりません。
慰謝料請求については、インターネット上に様々な情報が氾濫していますが、実際の交渉はそんなに単純なものではありませんので、素人判断で対応するのはあまり得策でないように思います。