こんにちは。
本格的な冬が近づいてきましたが、皆さま、ご体調を崩されていないでしょうか。
まだ身体が寒さに慣れていない方も多くいらっしゃると思います。どうぞ暖かく過ごされまして、ご自愛ください。
さて、本日の宇宙法研究部会に移ります。
まず最初の調査報告ですが、宇宙事業にかかわるスタートアップがテーマに取り上げられました。
具体的には、宇宙事業にかかわる企業、例えば、人工衛星の開発・運用や月面で活躍するロボット等を開発する企業、小型ロケットを開発・製造している企業等の紹介がありました。
宇宙事業に関する資金調達額は年々増え続けており、また、宇宙戦略基金も開始されるといった資金面から、今後もさらに宇宙スタートアップの数の増加や資金調達が増えて行くであろうという見通しが示されつつ、宇宙「事業」が宇宙「産業」になっていく過程において、我々弁護士による支援がより一層求められることになるであろう、といったご考察がなされていました。
宇宙に関わる事業・産業は、現在展開されている分野がこれから発展、あるいは、変化していくのでしょうし、また、現在は行われていないことも新たに始まっていくと思われますから、我々弁護士は、その時々のニーズをくみ取り、効果的に支援ができるように体制を整えていく必要があると改めて思いました。この点、宇宙法研究部会は、宇宙にかかわる弁護士が知識の習得や情報共有をできる場ですので、支援体制強化に資する組織として、今後、益々存在意義が増していくことでしょう。
そして、次は、「水星近傍および内部太陽圏における高エネルギーイオン観測のための片面シリコンストリップ検出器の最適化と較正」というタイトルでのご報告で、高エネルギーイオン観測に関わる実験機器の技術的な解説をしていただきました。
水星という太陽に近い星での実験・観測のため、環境は地球上と異なってとても過酷なものとなります。現在の地球上での実験段階では見通しが立っているものの、実際に水星に機器を設置して実験・観測を始めてみたらどのようになるか、見通しが不確実な部分もあるようです。
報告された委員(弁護士)は、東京大学大学院理学系研究科地球惑星科学専攻という経歴をおもちで、バリバリの理系の先生でしたので、私のような文系人間には初めて聞くことばかりで、とても勉強になる内容でした。
宇宙法研究部会の特徴として、一般的な弁護士だけでなく、理系の、しかも、宇宙に関わる専門分野をお持ちの先生方が複数在籍されていることが挙げられます。
私のような普通の弁護士ばかりの集まりですと、法律や条約の議論はできますが、その背景にある技術的・科学的な部分についての研鑽が自力ではできません。しかし、宇宙法研究部会には、宇宙開発に関する技術的・科学的知識や経験をお持ちの先生方が多数参加され、その知見を共有していただけますので、より実践的に研鑽を深めることができています。とても感謝です。
本日もとても勉強になる報告を聴かせていただきました。ご担当の先生方、どうもありがとうございました。